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まだまだ…雑巾係。
来る日も来る日も…
実はそんな自分を知ってるのは、今の妻です。
妻もちょうど同じ時期に上京。文京区の働いてたお店にお客様として来てくれてました。
先輩のお客様でして…
雑巾係の私が、先輩のカットを近くで拝見させてもらいながら、彼女の切られた髪をホウキではかせてもらってました。
あの時、まさか4年後に夫婦になるとは夢にも思ってなかったですけどね…w
今でもあの人は俺が店持ってるなんて、信じてないんじゃないかな〜〜w
でも…妻の登場はまだ先なんですよね〜
なんだか腐りそうな毎日に、毎日が嫌になってきてましたね。
やっとの思いで初任給がいただけました。
嬉しくて嬉しくて…手渡しだったので、子供だった私はすぐに中を確認してみると…そこには…
9万円…
9万円です…19万でも29万でもなく…
9万です…
無遅刻無欠勤…毎日毎日、朝の通勤ラッシュで1時間半立ちっぱなしで、仕事中も立ちっぱなし。
帰りの電車も立ちっぱなし…雑巾とホウキだけが仕事道具。
で…9万…
暗い気持ちで帰路。
帰りの電車に乗る前に、今の新宿西口で一服しながら、その先に見える新宿副都心を眺めてると
私の父親と同じくらいの歳のおじさんが声をかけてきました。
「お兄さん…タバコ1本だけ分けてくれないかい」
その頃はまだ、新宿西口はホームレスの溜まり場だったので、たくさんのダンボールハウスが並んでましたね…
親ほど離れた人がホームレス…目の前には成功の証のような新宿副都心…
このコントラストが、強烈に印象に残ってます。
俺は9万の給料で、着る服もなく毎日洗っては乾かしての同じ服。
晩御飯は食パン1斤買ってきて、毎日、焼かないトースト1枚づつ…
足元にはダンボールハウス。目の前には煌びやかな高層ビル。
9万の俺が、あそこまで行けるんだろうか…
ダンボールの方が近いじゃないか…
これが現実なんだな〜。
田舎では絶対に見る事の出来ない光景。
都会では一歩足を踏み間違えるだけで、坂道を転がるように落ちて行きます。
頑張らなきゃ…
頭の中が少しづつ、「生き残るにはどうしたら良いんだろ〜」というふうに変わっていった頃でした。
続く…